平成十九年の俳句

瓢の笛ピアノの上にひょんと置く 

小春日に探すイタリア料理店

賑やかな錦で買ひし蕗の薹 

町並みを守る賑わい雛祭り

四十間近尚夢に出る大試験 

春愁や三、四箇所の誤植なり

大桜背負うがごとく家のあり

青空を壁紙にして桜咲く

平和とは核のバランス亀の鳴く

★種袋命のもとはかろきなり

鍵盤に涼しさ宿しドビュッシー 

故郷の蛙うるさし風呂の中

丸き背の嫗耕しきゅうりの花

玉葱の妙に大きく買ひにけり

木下闇その暗さには緑あり 

いつもより部屋は片付き夏座敷

袋掛いつの新聞かけており

冷蔵庫底に陣取る西瓜かな

星月夜車の上に猫のをり

白玉や子供の頃に住みし町

花どろぼう石榴と栗に棘ありし

母の焼く焦げし秋刀魚の懐かしき

散紅葉わしゃわしゃと踏む子供たち

短日にさらによく寝て短き日

枯れ萩を刈りて我が庭広くなり

焼いもや売り口上は無農薬