★初空や人を小馬鹿に鴉鳴く
鐘撞けば初空音に染まるかな
寄鍋やのちは動く気なかりけり
立春や語らる虚子の昔話
落椿刹那を我に見せしかな
落椿畳に落ちて音となる
春めくや零時を過ぎて酒を飲む
湯上がりの体に触れる春の夜
朧月我の形もおぼろなり
我が庭の梅を気に入る鳥多し
春雷や響きはどこか柔らかく
産土や夜となりけり春の雨
揚羽蝶自分の意志より風の意志
★うどん屋の列に加わり団扇かな
★うどん屋の道をたずねし半夏生
海開き泳げぬものにコカコーラ
★青葱の一つとびちり夏座敷
夏空にものほし竿の残りけり
玄関を開けると蝉の世界かな
★夏の夜に少年一人球を蹴る
涼しさやピアノ奏でる調律師
投票に行かぬと決めてサングラス
小惑星如きジャガイモ皿の上
揺るる萩揺れぬ刹那もありにけり
本堂の隠れるほどに萩の花
えのころ草旅行終わりてほっとせり
小面の心に添ひし虫の声
さつま芋胸につかえし美味さかな
剣山頂高し天高し
★熊笹を伝ふ秋風剣山
神などは居ろふはずなし神迎ふ
楽章の合い間咳き込む静寂かな
はさかりし歯と歯の間葱薬味
★暗算の答えそれぞれ暮早し
瓢の笛知り俳人となった気に
戦死戦死…外は時雨し無言館
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