なるほどな二人頷く春隣
ぼてぼてとどたま突っこむ冬の蓮
春暁やアールグレイの香り立つ
★ 天空の高さを知るや凍てし月
ハルウララ我が身をうつす負けっぷり
利休忌の菜花は影を落としをり
理屈など意味無きものに春の雨
★ 建物の形やわらか春の雨
暗闇の窓となりぬや春の月
青鷺や背筋を伸ばし何もせず
★ 春雨やその音だけの宵の口
逃げもせで挑発的な小蠅かな
朧月背に感ずまゝ歩きをり
晩餐の灯りとなるや春の窓
恋猫や静寂の声となりにけり
一本の鯖の背海の色深し
★ 豌豆や椀にてつやを競ひをり
蜘蛛の囲に大きな獲物我の顔
梅雨の入りお堀の水輪時を織る
鈴虫の螺鈿鳴くごと光りをり
夏帽子横断歩道ジャンケンポン
玄関を入ひりて右に金魚鉢
赤とんぼバトミントンの羽は屋根
一点で羽をせわしく赤とんぼ
童謡の風にそよぐや赤とんぼ
★ 郷愁はそこに飛びをり赤とんぼ
★ 仲秋や後部座席の一升瓶
仲秋の深くなりゆく湯浴みかな
雨月とは憂いを賞でる心かな
道ふさぎ徐行を強ひる秋祭
鐘の音は青空に果つ秋祭
在りしことそれは知ること知りし秋
小春日にシンコペーションフォルテッシモ
その音に会話途切れし落椿
目標は目安となりぬ去年今年
初富士は片岡球子広告欄
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