★ 道しるべなき三叉路の小春かな
夜の梅紅はことさら闇を濃く
夜の梅見目も香るも微かなり
髭剃らぬ己の体と梅の色
内海を架ける大橋つばくらめ
つばくらめ夕陽を背なに紫雲山
夢桜ひょいと名所に迷ひけり
散りおちた椿手に置き眺めけり
新緑の山に埋もれるダムありき
つばくらめとかく無心に遊びをり
モスクワの曲を奏でし薄暑なり
池赫く染めし夕日につばくらめ
目の前のトンビ涼しく海に消ゆ
安らかに時の流るゝ田植かな
そうめんにこだわりありしつくらせぬ
雲の峰映せし池を走りけり
夏の月赫き火星を従えり
一本のまゝで食ふべし胡瓜かな
一票を投じる時の涼しさよ
行きは山帰りは海の夏景色
蓮池の下に仏の眠る寺
コテージのベランダに立ち海を見ゆ
草いきれのぼると池のひろがりし
星一つ二つ数へる秋夜かな
塀の上猫見かけたる今朝の秋
茎石に僕がなろふと申し出る
役満がなぜかあがれぬ夜長かな
冬帝に負けぬ心が我にあり
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