平成十二年の俳句

松の内慣性のまゝ弛む日々  

灰色の閉鎖病棟春を待つ  

★ 連なりしブレーキランプ冬の色 

いぬふぐり足跡の中ありにけり 

名と姿心くすぐるいぬふぐり 

我の腹ひっこみたまへ業平忌 

 いやなこと忘れてみゆる後の月 

 冬紅葉せせらぎ岩を貫けり 

夜の街たばこの煙冬に吐く 

人つかぬ落ち葉の掃かぬ径かな 

ちりぢりに句を詠む人等紅葉狩