平成十年の俳句

木陰にて煙草一服金木犀 

直ぐなるやたばこの煙秋の朝  

 日曜の冬の陽射やケトル沸く  

蛍舞ふ君と一緒に闇の中  

一筋の飛行機雲や天高し 

稜線の幾重にもかすむ伊予三島 

柿睨み君を睨みし俺の物 

座布団に居座り困る竃猫 

アヴェマリア語るヴィオロンクリスマス 

麒麟草枯れて我より高かりき